RETeval®の臨床応用

遺伝性網膜疾患

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RETeval®の臨床応用-遺伝性網膜疾患

遺伝性網膜変性は、260以上の疾患遺伝子からなる遺伝子異常が原因とされており[RetNet]、あらゆる年代の人に対して深刻な視力低下を引き起こすことが明らかにされています。そしてこれらの症状の多くは構造変化を示さない、あるいは確認することができる変化が症状により大きく異なるため、構造診断だけに頼ることは困難です。 一方、網膜の機能的な変化は、網膜の構造変化の前に始まるため、ERGを行うことが重要になります。

最も一般的な遺伝性網膜疾患の一つは網膜色素変性症(RP)であり、発症率は10万人あたりに約50人の割合とされています。[Orphanet]RETevalの全視野ERGを使用することで、様々なタイプの遺伝性網膜疾患を検出することが可能です。これらの疾患には、次のものが挙げられます。例:

  • 網膜色素変性症
  • レーバー先天性黒内障
  • 先天性色覚異常
  • 先天性夜盲症
  • レーバー遺伝性視神経症
  • X連鎖網膜分離症

以下では、RETevalがこれらの遺伝性疾患の中で最も一般的な疾患を診断するにあたって、どのように役立つかについて説明します。参考文献については、文献リストをご覧ください。

網膜色素変性症

網膜色素変性症は最も一般的な遺伝性網膜疾患であり、時間の経過とともに光受容体細胞を破壊し、病気の進行とともに視力低下を引き起こします。
患者の症状として網膜に顕著な変性がでてくるのが典型的ですが、網膜の機能変化は、RETevalを用いたERGで早期に検出することが可能です。[Drack] 実際, ERG は、この障害を診断するにあたって最も信頼の置けるテストであると考えられています。

画像元: Evaluation of cone function by a handheld non-mydriatic flicker electroretinogram device; Clinical Ophthalmology Volume 10(Issue 1):1175-1185 · June 2016

杆体視細胞と錐体視細胞に対するERG検査は疾患の初期段階で行われることが望ましいです。症状が進行するにつれて、杆体視細胞からの反応がなくなった後も、錐体視細胞の機能が記録されることがあります。

RETeval による ERG は、顕性網膜色素変性症 、伴性網膜色素変性症、および常染色体網膜色素変性症を区別することも可能です。[IntechOpen]

色覚異常

色覚異常は、10万人に1-9人の割合で発症する稀な常染色体劣性網膜疾患です。[Orphanet]

この疾患は、色覚異常、眼振、光恐怖症、および錐体視細胞機能の欠如または障害による視力の著しい低下をまねくのが特徴です。さらに、色覚異常は通常の眼底画像検査では正常に表示されるため、正確な診断をすることが難しく、大きな課題になっています。

RETevalによるERGは、患者の (杆体視細胞の 一色型色覚異常)の診断を可能にします。

Prof. Pojda-Wilczekの厚意により

Prof. Pojda-Wilczekの厚意により

RETevalを用いたERGは、通常の杆体視細胞の機能を検査することができます。(図.1) このデータを比較すると、両目で対称的に、錐体視細胞の機能が弱くなるまたは減少したことが確認できます。(図.3).

レーバー先天性黒内障
レーバー先天性黒内障 (LCA)は網膜ジストロフィのグループに属する網膜進行性の視力障害の一つです。 LCAは全ての網膜ジストロフィ症状の約5%を占め、盲目の小児の失明の原因の約20%を占めています。[Coussa 2017]  患者が、まぶしがったり、眼をこすったり、夜盲症、眼振、対光反射が弱いなどの特徴があります。 眼底画像にも目立った異常が見られないことがあるため、確実な診断をすることが難しいとされています。
[Coussa 2017] RETevalによるERGではこの病気の診断のための必要な機能を提供します。 視力低下が疑われると、RETevalによるERGでは、振幅が著しく低下したり、まったく反応を示さないことがあります。 LCAの早期診断を可能にすることで、患者およびその家族が中心視覚障害を診断するために必要とされている高額な神経学的および放射線学的検査をしなくてもよくなります。

Prof. Pojda-Wilczekの厚意により

Prof. Pojda-Wilczekの厚意により

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